「眠れぬ夜にかかってきた電話」

ある冬の当直の夜のこと。

時間は夜中の3時。ぐっすり寝てたところに、院外からの電話が鳴った。
「え、こんな時間に誰!?」と一気に目が覚める。

受話器を取ると、電話の向こうからおばあちゃんの声。
「今日もらったお薬、いつ飲めばいいか分からなくなっちゃって…」

一瞬「えっ?」って固まったけど、すぐに切り替えて、「お名前教えていただけますか?」と確認。
電話で患者さんの情報を取りながら受付まで小走り。夜の院内って本当に静かで、足音が妙に響く。

カルテを確認すると、朝に発熱と咳、鼻水で来院された方だった。
「朝と夕方に飲む薬と、毎食後に飲む薬、それから熱が高い時に飲む解熱剤がありますね」とお伝えすると、

「あぁ〜、そうだったのね。助かったわ〜」と、ホッとした声。

どうやら解熱剤もまだ飲んでなかったみたいで、「今から飲んでくださいね。電話そのままで大丈夫ですよ」と伝えると、少し間を置いて「飲んだよ。ありがとう。これでやっと寝られるわ〜」と。

「おやすみなさい、また何かあったらいつでも連絡くださいね」と伝えて電話を切ったあと、こっちまでちょっとあたたかい気持ちに。

正直、起こされた瞬間は「うぅ…」って思ったけど、
おばあちゃんの「ありがとう」のひと言で全部報われた気がした。

看護師って注射や処置だけじゃなくて、こうやって誰かの「不安」を受け止めてあげるのも大事な仕事なんだなぁとしみじみ。

「困ったときはあの看護師さんに電話すれば大丈夫」って思ってもらえるような存在でいたいな。
そんなことを考えながら、また布団に戻って今度こそ少しだけ眠れたのでした。

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