「亡くなったあとのこと、みんな意外と知らない」

以前、外来に救急搬送されてきた方がいました。スタッフみんなで必死に処置をしたのですが、残念ながら助けることができず、そのままお亡くなりになりました。

こういうとき、毎回思うのが、「頑張っても、亡くなる方はやっぱり亡くなるんだな」という現実です。命の重みも、救えなかった悔しさも、何度経験しても慣れるものではありません。

でも、そのあとにやってくる“現実的な手続き”というのもまた、現場で働いていてよく直面するところです。

うちの病院には「霊安室」がありません。だから、亡くなった方はすぐにご家族に葬儀屋さんへ連絡していただいて、お迎えに来てもらう必要があります。これは病院の規模や設備の都合で、決して珍しいことではないんですが、一般の方はほとんど知りません。

今回のご家族も、まさにそうでした。

お亡くなりになったのが16時頃。家族の方は突然のことで頭が真っ白になっていたのか、「亡くなった方って、病院に2日後とかまで置いておけるんですか?」と聞かれました。

その気持ち、よくわかります。葬儀の準備なんてしてないし、誰に連絡したらいいかもわからない。なにより、今起きたことをまだ受け止めきれていない状態です。

私はできる限り丁寧に説明し、病院には霊安室がないこと、すぐに葬儀屋さんに連絡してもらう必要があること、そして近くの葬儀社の連絡先もお伝えしました。

その後、ご家族は廊下で親戚に電話をかけながら、「どうする?」「誰が来れる?」と、ワーワー話し合っていました。静かな廊下に響くその声を聞きながら、「ああ、ここからが“日常”との接続なんだな」と思いました。

結果として、20時頃にお迎えがきて、ひとまずはホッと一安心。

命を看取る瞬間だけが医療の終わりじゃないんですよね。その後の流れや手続き、家族の混乱も含めて、看護の一部だと改めて感じました。

こういう現場を見ていると、「人は亡くなったあと、どうなるのか?」って、意外と知られていないことに気づきます。テレビドラマではあっさりと事が進んでいるように見えても、現実はもっと複雑で、人それぞれです。

「いざというとき、どうすればいいのか?」

病院で働いている私たちにとっては当たり前のことでも、一般の方には非日常。だからこそ、こういう小さなことも、ブログで発信していけたらと思います。

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