
外来をやっていると、たま〜にちょっと不思議な人がやってきます。
先日のこと。
受付にいきなりやってきて、「怪我してきました!消毒してください!しびれもあります!腫れてて痛いんです!」と、まるで救急ドラマのワンシーンかのようなテンションで来院された方がいました。
状況をよくよく聞いてみると、数日前に指をプレスしてしまったとのこと。家で消毒をして様子を見ていたけれど、全然よくならないので「ちゃんとした病院の消毒をしてほしいと思って来た」とのことでした。
ここで一つ、重要なポイント。
うちは、田舎の小さな個人病院なんです。総合病院でも大学病院でもない。整形外科の専門医が常駐しているわけでもない。もちろん、怪我を診れないわけではないけど、指の神経まで傷ついているかも…みたいな話になると、やっぱり専門の病院に行ってもらうのがベストです。
さらに言えば、消毒って今どきは「とりあえずしとけばOK!」というものでもありません。むしろ、やりすぎて傷の治りを遅くするケースもありますし、家庭にある消毒液で十分なことが多いんです。
そういうことを丁寧に説明したんですが…。
「ここは病院だろ!?なんでも治せる場所じゃないのか!」とご立腹。
(いや、万能施設じゃないんですよ…)
それでも、「とにかく医者に診てもらえれば納得するかな?」と思って診察に回してみると…
案の定、医者の前でも「消毒だけでいいんです!消毒さえしてくれればそれでいいんです!」と、かなり強めの主張。先生が「いや、消毒が必要かどうかをまず見てから判断するんですよ。まずレントゲンを取って骨に異常がないか見てみましょう」と説明し始めた瞬間、
「消毒しなくていいってどういうことだ!!レントゲンなんて必要ない!!消毒しないなんて世の中の医者はいらないだろうが!!」と、さらに激怒。
そして最終的には、「しびれてない!痛くもない!動くから大丈夫!俺が大丈夫と言っているから大丈夫なんだ!もういい!」と言い残して、お帰りになりました…。
あの、最初に「しびれてて、腫れてて、痛い」って言ってましたよね…?
途中からどんどん話が変わってるような気もしますが、まあ、こういうこともあるんです。
世の中、「病院=魔法の治療をしてくれる場所」と思っている人、まだまだ意外と多いのかもしれません。でも、実際の医療って「必要な治療を、必要なだけ」するのが基本なんですよね。
そして、医者は「消毒する人」ではなく、「治療をする人」なんです。
もちろん、不安になる気持ちは分かります。怪我って、見た目以上に心配になりますし、「ちゃんと診てもらいたい!」って気持ちもすごくよく分かる。でも、怒鳴っても、無理やり消毒しても、治るものも治らないこともあるんですよね…。
ということで、今日も外来は平和…というわけでもないけれど、なんとかやっています。
みなさんも、怪我をしたときはまず落ち着いて。必要なら診察に来ていただいて、必要なら消毒します。でも、「消毒さえすればOK」という時代は、もうちょっと前に終わっているかもしれませんよ〜。
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