「くしざし」に見る、人それぞれの世界

ある日のこと。
患者さんの栄養サマリーに目を通していたら、ふと目に留まった一文。

「副菜一口大、くしざし」

……ん?くしざし?

「副菜を一口サイズにして、それを全部くしに刺す」ってこと?
思わず「え、面倒くさ!」と声が出そうになりました。

頭に浮かんだのは、スーパーの試食コーナーに並ぶ、あの小さな串が刺さったお惣菜たち。
まさか、あれを毎食やるってこと?くし、そんなに家にある?
というか、フォークで良くない? と、私は即座にツッコミを入れたくなりました(笑)

この「くしざし」表記を見て、私はすっかり“全部のおかずにくしを刺して配膳”という絵を思い浮かべてしまい、「見た目も悪いし、洗い物も増えるし、現場は大変だろうな…」とまで思っていました。

でも、周りにいた医師とソーシャルワーカーに「これ、どう思う?」と聞いてみると、二人ともキョトン。

「焼き鳥みたいなやつ?」「どういうこと?副菜を全部串に刺すの?」と、完全に混乱モード。
私の中ではもう“くしざし地獄”みたいな配膳風景が完成していたので、このリアクションにちょっとびっくり。

どうやら、人によって「くしざし」という言葉に持つイメージが全然違うらしいです。

そこで、栄養士さんに申し送りの時にサラッと聞いてみました。
「“くしざし”って、うちでできますか?フォークもつけるってありますけど」と。

そしたら返ってきたのは、

「うーん、くしにおかずをさしていくのはちょっと…フォークもあるんですよね?」

という反応。
具体的な意見までは聞けなかったけど、その言い方からして「全部くしに刺すのはちょっと…」という感覚は、私に近いのかもしれない…と思いました。

とはいえ、栄養士さんの本当の意図や考えは、まだしっかり確認できていません。
単に「書いてあること」に反応しただけで、その裏の意味や理由は謎のまま。

この一件で感じたのは、やっぱり人それぞれ考え方や見え方が違うんだなということ。
「くしざし」と聞いて即座に“面倒!”と反応する私もいれば、ピンと来ない人もいて、むしろ「便利そう」と思う人だっているかもしれない。

同じ言葉を見ても、経験や想像力でここまで解釈が変わるんだと、ちょっと面白くもあり、考えさせられる出来事でした。

いまだ“くしざし”の謎は解けていませんが、こういう何気ない記載の中にも、意外と奥深い世界が広がっているのかもしれませんね。

そして私は今日も思うのです。
やっぱりフォークでいいんじゃない?(笑)

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